なびす画廊

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山田泰展
YAMADA Yasu
2002.12.09(月)―12.14(土)

 | 作家コメント |

 地元に帰ったせいか、この1年は随分と作品の内容が過去に引っ張られたような気がする。
 住宅地脇に広がる近所の緑地公園を歩き、何か違和感を感じたのが発端である。造られた自然であるにも拘わらず、その所々に野生の趣を垣間見る事ができるからなのかもしれない。
 たとえば、人工池のさざなみ、空き地の草いきれ、街路樹の葉っぱのざわめきなど、自然界のそれらと変わらないものを見つけながら、そういえばと思い起こす。自分の暮らす町と大自然にあるそれらを比較できなかった子供の頃の感性は、なかば造られたものにも自然のもつ不可解な部分を直感したり、緩く広がる不安のような畏怖のようなものを感じていたりしていた事を。
 それらは木々の隙間にある気配か、ゆっくりと進行している草木の成長か、抵抗感の無い曇り空に感じる不安感なのかそのころの何かを具体的に記憶してはいないが、推理しながら歩いていると、まだ先に道が続いているような気がする。
                   2002年9月 山田 泰


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