2006「ゲート」 展評:成相肇(選・評)美術手帖 2007.6月号vol.59 pg188 (画像クリックで拡大/296KB) |
利部 志穂展 KAGABU Shiho 2007.03.12(月)―03.17(土) <作家コメント> フォント 〜で日を見る 彫刻家にできること。それは事実を事実として見ることだ。 何かにすり替えたり、偽る必要が無い。 私はイメージや物語と呼ばれるものに対して懐疑的だ。 日常生活を送る上ではそれらを楽しむが、自身の作品の上では好まない。 近頃の戦争や殺人事件について考える。社会的な秩序をもってする判断の前に 人間の価値とはどれほどのものなのか?と疑問が湧く。 同じ地上に立つという意味においては、物と人は同等の質を持つ。 もし違うとしたら、それ自体が変化しているかどうか、思考するか否か。 しかし、私はそれらが違うものであると断言することができない。 人間が暮らしのために産みだした様々なもの。 始まりはただの物質。それらが長い年月や関係を持ち、機能を終える。 それでも残っているそれらは、一体何なのか。 決してメランコリックな感情や衝動から想像するのではない。 それらが持つ言葉と人間が持つ言葉。そこには共通の言語が存在すると私は考えている。 その一つ一つを通過して、溢れた部分。それが今は真実に思える。 ここで創るのはひとつの字体 フォントである。 もし何か確たるものがあるとしたら、その起ち方の先。にある気がする。 2007.02.08 →利部志穂さんのブログ「家を持ち替える KAGABU Shiho ARTWORK」 |
撮影:佐藤毅 |
撮影:山本糾 |
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