[rain] 1300×895mm,oil on canvas,2007 [drawing 07-2] 765×575mm,charcoal on paper,2007 |
高橋 理和展 TAKAHASHI Masakazu 2007.05.28(月)―06.02(土) <作家コメント> きっかけの一つは、一年置きに結実する花梨だったと思う。 その実は甘い匂いをまとい空間に漂っていた。ばらばらの実の奔放を諌める ように、それを枝が繋ぎ止めている。 空間に浮遊していた形を点に変え、それを線で繋ぐ。直接、形に意味を無理 強いすることがなくなった。新鮮な作業のうちに意識していなかった画面が起 ち上がってくるように見えた。本来の目的が、形や画面の構成の追求だけに注 がれていたわけではなかったので、ひとつ荷物を降し次に向かう事ができる気 がした。 さて、その甘い匂いは、朝の極楽で御釈迦様の周りに絶間なく溢れていた蓮 の花の匂いに近い。今年は結実の年だ。極楽の匂いを垂らしてくれるかもしれ ない。しかし、御釈迦様ではないが、いつも池の底の不可解な陰(いん)のこと も気にかけていようとは思っている。よい絵画のためにも。 |
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