なびす画廊

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生きもの死にもの2011−1
45x45x25mm,2011年,豚真皮

加藤 隆明展
KATO Takaaki
2011.10.10(月・祝)―10.15(土) 

<作家コメント>
希薄な彫刻―生きもの死にもの Biomorphe―

 この薄っぺらな表層だけの彫刻には、魂の宿りようがない。不可視の部分はなく、精神を通して出合う場所がない。薄っぺらで周辺を透過し、影すら危うい。
実体の希薄さは作品と出合うべき人すら不安にさせる。不安にさせる作品の表層は豚真皮を使用している。人間と同じ物質である。それは、素材が人と近すぎるゆえの嫌悪感、それが生まれる。
 イヴ・タンギーの絵画に現れてくる鉱物とも生物とも分けられない形態に、彫刻形態が寄り添う。生と死の反復的世界、分類を超える形態、透過される実体。
豚真皮作品は1996年から始めた。前年に阪神淡路大震災が発生、青年の精神と行動が豹変した。いま、再度の大災害が東北関東に起きた。生きもの死にものという言葉が辛い。生と死の混濁の世界に、もう一度精神を沈めなくてはならない。
(2011.10.1 加藤 隆明)


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