「 P --燐光」 拾ってきたもの、要らなくなったもの 建材(パイプ、セメント、糸、針金、その他) found objects, redundant objects, building materials (steel pipe, concrete, yarn,wire and other) 7.7×6.3×2.3m(室内/size of the space) 2008年 撮影:山本 糾/Photo:YAMAMOTO Tadasu [持ち運べる家]/ portable house,2008 撮影:山本 糾/Photo:YAMAMOTO Tadasu 2008年[家を持ち替える]展より Exhibition view "Pass the house from one to the other" 企画:鷹見明彦,表参道画廊,東京 curated by TAKAMI Akihiko Omotesando gallery,Tokyo [家を持ち替える/Pass the house from one to the other] 素材:解体途中の実家/Artist's former residence in demolish work、2007年 撮影:山本 糾/photo:YAMAMOTO Tadasu |
「新世代への視点 2008」 →関連企画・小品展についてはこちら 利部 志穂 展 KAGABU Shiho 2008.07.28(月)―08.09(土) 早朝に窓からの微かな光で目を覚ます。 その手前にはカーテンと呼ばれる白い布が、その手前には木製の机が見える。 その磨りガラス1枚奥からは車のタイヤがアスファルトを擦る音が、 その頭上では鳥の鳴く声 であろう音が聞こえると感じている。 その奥では果てしなく続く把握できない世界がある。という考えが浮かび、 枕と呼ばれる白い布が、半円状に切り取られた裾を指で掴み、安堵する。 人は物事に同調したいという欲求を持つ。 森の暗闇や沼地の湿気、山の間からの夕日を持たない私は 雨の日の傘の先端に、ハンドバックのドレープに、食べ終えた茶碗のかすに 自身の、人間の原初的な感情の発露を確認する。 古代以来の都市の構造を規定してきた、宗教的、民族的な宇宙論から、 資本主義の発展による空間の再構成のもと、 断片化された場を、わたしは拾い集め、繋ぎ合わせるメソッドを作品とする。 直にある物に手を触れ、叩き、切断し、転がし、積み上げる・・ そこには何のイメージも ない。物の原理と視界のみがある。 5月 利部志穂 ------------------------------------------------------------ P - 燐光 単位としての人 世界に楽園はない ましては、始まりも終わりもない 人間の切望する ユートピアは 私の身体を鈍らせ、目を曇らせる 様々な細胞の分裂からなる 進化の過程である人は 一生という時間を世界という言葉に代えようとする 人がどれだけの欲望を持ち どれだけ大きく動こうとも 一瞬という時間の長さにすらなることはない 地球の外側から、輪郭線としての 人と地のフォルムが見たい 科学と感情の揺らぎ 時を繋ぐ 作家自身の動きは 目の前の出来事と 決して見届けることの出来ない世界を 一生という言葉を借りて 私は大きく動く ここでは、ある光の形 ひとつの機会となればいい 利部志穂 2008.07.29 ------------------------------------------------------------ →ウェブサイト・PEELERに森啓輔さんによるレビューが掲載されました →「家を持ち替える」作家ブログ/Artist's blog →exhibition in 2007 →作家略歴/Biography |
「P」展示風景、撮影:山本 糾/Photo:YAMAMOTO Tadasu |
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